特集

福岡の夜の魅力を発信
福岡市が取り組む「福岡よる旅」プロジェクト

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■始まりは一冊の本

201312月に福岡の夜の楽しさを全国へ発信したいと観光イメージブック「福岡よる旅」を発行。人気の飲食店を紹介する観光ガイドではなく、主人公「私」が福岡の夜を楽しむ様子をストーリー仕立てで紹介する構成だ。

「福岡で夜を過ごすと元気になりますよ、と伝えたかった」と話す深澤さん。2040代の女性を想定した主人公の「私」が福岡タワーなど福岡を象徴する夜景、オレンジ色の明かりが眩しい路地裏など福岡の「夜」を巡る。イメージブックのデザインも評判が良く、女性が多く集まるイベント会場で配布したほか、駅、空港、美容院など各所の協力を得て全国に設置。初回3万部を配り終えて、増刷した3万部も順調に配布、設置している。

次は「イメージブックのストーリーをぜひ体験してほしい」と各方面に企画を続々と持ちかける。「福岡の夜と言えば中洲。女性にも中洲を気軽に楽しんでほしい」と「博多座大歌舞伎」の公演チケットと中洲のバーで使えるクーポンをセットにした限定チケットを企画。通常価格より割り引いた価格でバー体験もできることから予定数の100セットはすぐに完売する人気ぶりで今年も第2弾のセット券を販売中だ。

国内旅行予約サイト「るるぶトラベル」は夜景や食事などにこだわった「福岡よる旅」宿泊プランの販売を開始。昨年11月に初開催された福岡マラソンの際には、大名や今泉、春吉の飲食店オーナーらがランナーに向けて、夜の食事に特典を設けるグルメガイドを配布するなど、プロジェクトの趣旨に賛同した企業や団体とのコラボレーションが続々と打ち出されている。

2月は「福岡夜博」

深澤さんがコツコツと発信してきた夜の魅力は、ついにまとまったイベントとして展開される。2月の1カ月間、福岡よる旅とのコラボレーション企画が毎日開かれるイベント「福岡夜博」が初開催される。

21日、オープニングイベントと称して、福岡出身のイラストレーター・タレントのリリー・フランキーさんによるトークショーから始まり、西中洲では大分県竹田市の協力により竹灯籠「竹楽」を再現する「灯明祭り」、ライブハウスや飲食店では、福岡市出身のイベントプランナーでシンガーの桐山栄治さんがプロデュースした音楽イベントなどバラエティーに富んだイベントが並ぶ。

飲食6店舗がこのために考案した「福岡シティワイン」に合う料理を提供するイベント「福岡夜博シティワイン福岡ミラベルマリアージュ」や、リストランテASO天神(天神2)が期間限定「福岡夜博ディナー」を用意するなど、70のイベントが市内各所で行われる予定だ。

■福岡の夜の一番の魅力は

自身も福岡の夜が大好きで、行きつけのバーで良くお酒を楽しんでいるという深澤さん。「ドラマの主人公が行きつけのバーで仲良しのマスターに悩みを相談するシーンをよく見かけますが、実際にそんなことを日常的にしている人って一部じゃないかと。でも福岡はお店の人が気軽に話しかけてくれたり、それが結構普通だったりします。屋台が良い例で、店員さん以外でも隣の知らないお客さんといつの間にか一緒に飲んでいるでしょう」。

「店員と客、人と人――新たなイベントを作り出さなくても『人』そのものが魅力。そんな体験が次の日の朝の元気につながる。それが福岡の夜の一番の魅力です」と笑顔を見せる。

取材・文/編集部 秋吉真由美




博多座と中洲バー体験をセットで販売-博多の夜の魅力アップ狙う(博多経済新聞)福岡よる旅

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