特集

新博多駅誕生、天神の対策は?
天神の回遊策「2011天神ウェルカムイヤープロジェクト」

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■天神の魅力「回遊性」で勝負

「来街者の増加も期待できる九州新幹線の全線開通は喜ばしい。でも商業について各施設は競争が激しくなるとの懸念も。より一層、博多と天神の差別化が求められる」と話すのはWe Love天神協議会・まちづくりディレクターの福田忠昭さん。「博多はビルの中だけで完結されてしまう。一方、天神は回遊性で勝負」。


福岡市のまちづくり団体「We Love天神協議会」と天神の14商業施設で構成する「都心界」は3月から約2カ月間にわたり、「2011天神ウェルカムイヤープロジェクト」と題した誘客策を展開する。


「開業おめでとう!でも、博多駅には負けないぞ!」「天神を日本でいちばん面白い街にします!」――各施設オリジナルのお祝いメッセージで盛り上げようと、岩田屋、新天町、イムズ、天神地下街など13商業施設で3月1日より、一斉懸垂幕を掲出するほか、3月中旬より8施設内のイベントスペースではファッションショー、ディスプレーコンテストを行う。


4月16日より各商業施設のほか、大名のショップなども参加し、回遊型キャンペーン「ホップ・ステップ・天神・大名」を実施。参加施設で3,000円以上の購入で1枚のスクラッチカードを進呈。スクラッチを削って出たポイントを10ポイント集めると景品が当たる抽選に参加できる。


4月23日・24日には商業施設内イベントスペースでライブイベントを行う「ウエルカム音楽祭」、期間中の金曜・土曜・日曜・祝日には警固公園や公開空地などで移動販売車によるオープンカフェや休憩スペースを設ける。


■「おもてなし事業」を強化

3月2日より、来街者を案内するボランティア「天神案内人」を天神各所に配置。配置カ所は福岡市観光案内所周辺と西鉄が3月2日より運行を開始する博多駅と天神地区を循環する都心快速バス「天神ライナー」のバス停、コア前と大丸前の計3カ所。ボランティアは応募で集まった19歳~8 0歳の75人で、「天神案内人」と描かれたグリーンのユニフォームを着用する。マップを配布する移動案内や「より細かい案内ができれば」とiPadなどのツールも使用する。


応募者の中には英語や韓国語を話せる人も。「地元の人と話すのも旅の楽しみの一つ。おいしい店の案内や福岡の歴史などそれぞれの得意分野を生かした、ガイドブックには載っていない地元の人ならではの案内をしてもらえれば」。


■福岡を盛り上げたい

各商業施設のインフォメーションスタッフらは2月24日、水鏡天満宮(福岡市中央区天神1)で天神エリアの商売繁盛を祈願。ライオン広場では各施設のイベント内容を発表する公開会見も実施、「天神満開宣言」として買い物客らにPRした。


「ライバル関係にあたる商業施設間の連携については、東京や大阪の商業施設担当者がよく驚かれる」と福田さん。「ターゲット層が重なる施設もタッグを組む。これも天神の大きな特徴で福岡らしい」。「遠方から『新しい博多』に来たついでに天神にも来てみようと思わせることが大事。ライブやイベント、オープンカフェで天神での滞在時間を少しでも長くできるようにすることが目標」。


「きれいな街があり、裏の路地もあり、お年寄りと外国の方にも優しい街へ。今後は福岡以外の都市との競争も視野に入れつつ、博多まちづくり推進協議会との共同企画も積極的に進めて、博多と天神で福岡を盛り上げていければ」。





取材/編集部 秋吉真由美




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