西鉄ホール（福岡市中央区天神2）で6月9日、今秋に公演を控える「THE WINDS OF GOD ～零のかなたへ～」の作・演出・出演の今井雅之さんが公演に向けての意気込みを語った。

　同作は1988年に初演、今年で20周年を迎える。1999年にオープンした同ホールのこけら落とし公演でもある。交通事故に遭ってしまう、売れない漫才コンビの「アニキ」（今井雅之さん）と「キンタ」（松本匠さん）。目を覚ますと2人は神風特攻隊員という前世に戻り、太平洋戦争末期の1945年8月1日にタイムスリップしていた…。岸田中尉（アニキ）と福元少尉（キンタ）になった2人を中心に任務遂行のため、自らの命と引き換えに立ち向かう若者の姿を背景に「生きていくことの大切さ」（今井さん）を描いた作品。

　20周年を迎えた同作について、今井さんは「スタッフもすべて20年前と同じで何も変わっていない。ただ、子どもが殺人事件を起こしてしまうような時代になってしまった。『生きる』ことをテーマに（同作を）作ったのに残念」と20年を振り返る。初演時、今井さんは27歳だったという。20年で自身が変わった点を問われると「（この作品は）自分が書いた本だが、27歳の時に感じなかったせりふが感じるようになった」と明かした。

　同ホールでの初回公演では前半は空席が目立つも、後半は満員御礼となったという。今井さんは「（観客の）口コミが人を呼んでくれているよう。『生きる』ことをテーマにした作品だが、コメディー。九州は笑いの反応も良い。（同公演を）楽しみにしている」と意気込みを見せた。

　公演は9月25日～28日の4ステージ。チケットは、前売り＝6,000円、当日＝6,300円。6月28日から、同ホールホームページなどで販売する。

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