アニメーション作家・長野櫻子さんの個展「あなたが誰で、どんなに孤独だろうとも」が現在、ギャラリー「EUREKA（エウレカ）」（福岡市中央区大手門2）で開催されている。

長野櫻子さん個展「あなたが誰で、どんなに孤独だろうとも」会場の様子

　長野櫻子さんは1989（平成元）年、福岡県生まれ。広島市立大学芸術学研究科卒業後、現在は岐阜県立情報科学芸術大学院大学に在籍し、2020年より福岡を拠点に活動している。大学在学中から自身の経験の手記を記すようにアニメーションを制作。その後、身体と映像の関わりを探るために、アニメーションを用いたインスタレーション作品の制作に取り組んでいる。

　福岡で初個展となる同展では、身近な人、特に家族・恋人・友人との間に抱く孤独感をテーマにインタビューを行い、その内容を基に制作したアニメーション（6分30秒）を上映する。そのほか、作曲者・森田了さんの「作品音楽に関するインタビュー」や、実施したインタビューの内容を記した「『孤独』に関するインタビュー」を掲出する。

　新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに福岡に戻ってきた長野さんは、久しぶりの家族や過去の思い出と向き合い、新しい人との出会いを通じて、「孤独」や「親しい人に対する心の壁」について考えるようになったという。「コロナ禍で行動が制限される中で、疎外感や孤独について、未曽有の事態に関わらず、さまざまな人の人生の中で起こることに興味を抱いて制作した」と長野さん。

　同ギャラリーオーナーの牧野身紀さんは「作家本人の思いが素直に表現された作品。作家が望むように、見る人それぞれに『希望』を感じてもらえれば」と話す。

　開催時間は12時～19時（最終日は17時まで）。月曜・火曜定休。入場無料。2月6日まで。5日・6日は長野さんが在廊する。