映画「蟹工船」SABU監督が来福会見-脚本制作の苦労や撮影秘話も

「良いメッセージが詰まった作品」とSABU監督

「良いメッセージが詰まった作品」とSABU監督

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 映画「蟹工船」の公開に先駆けて6月9日、監督を務めたSABU監督が来福し会見を行った。

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 原作は、1929(昭和4)年に小林多喜二が発表した同名小説。昨年、「蟹工船」ブームが再燃。年末の流行語大賞ではトップ10入りを果たすなど、注目されている。

 カムチャッカ沖でカニを獲り、船上で缶詰めに加工する蟹工船「博光丸」。その博光丸で働く出稼ぎ労働者たちは鬼監督・浅川の下、低賃金で過酷な労働を強いられていた。ある時、漁の途中にはぐれてしまった労働者の一人、漁夫・新庄は救出されたロシア船で外の自由な世界を知る。夢見るだけでなく、立ち上がろうと希望を持って博光丸に戻った新庄。絶望の渦中にいる労働者たちに呼びかけ、一丸となった彼らは浅川に立ち向かっていく。

 原作は、全員が主人公として描かれており、登場人物に名前はない。SABU監督は「最初は、『漁夫1』『漁夫2』と原作の表現を生かしていたが、脚本の制作途中ごっちゃになってきて…(笑)ややこしくなってしまい、名前だけは付けた」と話し、キャラクター作りから始めたことを明かした。

 同作では主人公として描かれる漁夫・新庄を松田龍平さんが演じ、監督・浅川を「大柄で…という分かりやすい悪役の古いイメージを一新し、現代に合わせ、陰湿さや冷たさを期待したキャスティング」(同)という西島秀俊さんが演じる。

 「原作のままだと暗いため、ユーモアを含んだ作品に仕上げた」と監督。「撮影期間は3週間。(同作とは違い)いじめたりとかはなく(笑)、現場も終始明るく、自由で楽しそうだった」と振り返る。

 「とにかく劇中に『良い言葉』を詰め込んだ。一つのせりふでも心に響くものが見つかり、元気ややる気が出たと思ってもらえれば」とも。

 同作品は7月4日、ユナイテッド・シネマキャナルシティ13ほかで公開。

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