書店「ブックスキューブリックけやき通り店」(福岡市中央区赤坂2、TEL 092-711-1180)が7月20日で閉店する。
2001(平成13)年4月22日に開業した同店は、今年で25周年を迎えた。約13坪の店内には、店主の大井実さんが選んだ雑誌や文芸書、実用書、ビジネス書、児童書など約1万冊が並ぶ。コンセプトは「小さな総合書店」。大井さんは福岡市生まれ。同志社大学文学部を卒業後、東京や大阪、イタリアなどでファッションイベントや現代美術展の企画・制作に携わった。37歳の時に自身の書店を開くために福岡に戻り、天神の書店でアルバイトとして働いた後、39歳で同店をオープンした。開業当時について、大井さんは「大型書店が天神に相次いで出店し『天神書店戦争』と言われていた時期で、周りに反対されながら出店した。小舟の船出のようだったが、始めてみると福岡の本好きがうわさを聞きつけ、どんどん来てくれるようになった」と振り返る。
大井さんは「一通りのジャンルはそろえつつ、その中で少し奥深いところまでいざなう『水先案内人になるような本』を各ジャンルでしっかりそろえる。小さい店だからこそ、一周回るうちに自分の守備範囲ではない本にも出合える本屋にしたかった」と話す。2006(平成18)年には、大井さんと市内の書店や出版社などの有志で、ブックフェスティバル「ブックオカ」を初めて開催。ブックオカは、昨年で開催20年目を迎えた。2008(平成20)年には、ブックスキューブリックの2号店となる箱崎店(東区箱崎1)もオープンした。
閉店の理由について、大井さんは「6月で65歳を迎えるので、少しペースを落として仕事をしようと思った。ちょうど箱崎エリアの再開発が始まるので、今後は箱崎のまちづくりにも携わっていければ。福岡に移住して商売をしたい人たちを呼び寄せたいと思っていて、そういう人たちの窓口になりたい」と話す。箱崎店は引き続き営業し、けやき通り店で使っている店内照明や袖看板は箱崎店に移して使い続けるという。ブックオカも場所を変えて今後も開催する予定。
現在、同店のホームページでは、けやき通り店にまつわる思い出を募集している。寄せられた思い出は「ホームページや冊子など何らかの形で公開する予定」だという。
大井さんは「僕にとって、25年、四半世紀という区切りが大きかった。20年離れていた福岡に戻ってきて、この店のおかげで、また街とつながることができたので、感謝しかない。閉店を発表してから、人生の節目の思い出と共に店のことを記憶してくれている人が多くて驚いた。それだけ皆の記憶に残った店だったと実感している。今後は、ぜひ箱崎店に遊びに来てもらえたら」と話す。
営業時間は11時~19時。月曜定休(祝日の場合は営業)。