例年より早く中元商戦へ突入-地元の名産品そろえ本物志向へ

6月1日朝、大丸・福岡天神店では「中元決起大会」が行なわれ、ギフト担当各部門の目標額を掲げた

6月1日朝、大丸・福岡天神店では「中元決起大会」が行なわれ、ギフト担当各部門の目標額を掲げた

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 天神の各百貨店、岩田屋本店(福岡市中央区天神2)、大丸・福岡天神店(中央区天神1)三越・福岡店(中央区天神2)が例年より約1週間早く、中元商戦を開始した。

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 岩田屋本店では、6月1日より新館5階の特設会場で、前年より5日間長く26日まで「早期承り会」を開始し、27日より本館7階の大催事場で「お中元ギフトセンター」を設ける。今年のテーマは「絆 ~人と人とをむすぶ、深める、心のこもった夏の贈り物~」と題し、独自性の高い「本物・本質のギフト」を打ち出していくという。地元「九州」を特集し、同店が選んだ15種類の「博多銘産品」から好みでセットが選べるというオリジナルギフト「博多小箱」を新たに企画した。

 商品は「風呂敷」に包んで届けられる。3段セット(風呂敷付き)=3,780円、4段セット=5,040円、5段セット=6,300円。また、売場のサービス面においては、昨年1人だったギフトアドバイザーを5、6人に増員するなど、多様化する消費者のニーズに応えサービス向上を図る。人気アイテム予想は昨年の上位3品で1位=ビール、2位=明太子、3位=素麺。予想平均単価は約3,500円(前年実績=3,420円)。8月7日まで。

 大丸・福岡天神店では、6月1日より8階「お中元ギフトセンター」で早期受付、6月27日より7月30日まではギフト会場を拡大し、7月31日より同会場を縮小して売り場を展開、百貨店中最長の8月14日(17時)までコーナーを設ける予定。また、同店は早期割引きを昨年より拡大、400人の従業員で行うローラー作戦も6月1日より開始。商品は、数量限定の宮崎県完熟マンゴー「太陽のタマゴ」などが揃う「創業290周年記念ギフト」や、小家族・単身赴任向けに「小分け・少量パック」の商品、好みで組み合わせ可能な「カスタマーズ・ビューギフト」などをはじめ、安心・安全・健康を切り口に新規ギフト商品を展開する。

 洋の朝食をテーマに飲む酢ゼリー、福岡の桃・鹿児島タンカンを使用した「飲む酢」や、健康を考えた薬膳炊き込み飯、アレルギー対応に配慮した海苔・佃煮のセット、有機・無添加商品もそろえる。人気アイテム予想は、1位=ビール、2位=辛子明太子、3位=洋菓子。新規企画として「家族で楽しめる九州の観光スポット」の名産品、福岡県久留米ブルーベリー村の生ブルーベリージャム、大分県久住ガンジーファームの乳製品なども展開する。

 三越・福岡店では、昨年とほぼ同時期の6月1日より8階ギフトサロン・地下2階ギフトプラザで早期受付を開始し、6月19日より9階に「お中元ギフトセンター」を設ける。10周年の節目を迎えることもあり、同店はギフトカタログの巻頭に、福岡を特集したページを掲載。商品も、福岡・八女の蔵元「喜多屋」で生産した「大吟醸」(1.8リットル)限定1,000本や、博多・中洲の老舗の餃子専門店「鉄なべ」の餃子詰め合わせなど、地元の名産品を中心にそろえた。

 今年は、ここ数年の儀礼的な形式ではなく、両親、親戚をはじめとする家族構成や好みが分かる相手に対して、日頃の感謝の気持ちを込めて贈る「パーソナルギフト」として中元・歳暮を利用する人が多い点に注目。普遍的な日本ならではの「ジャパニーズ コミュニケーション文化」として捉え、「相手を思う気持ちを形にする」という贈り物文化の原点を押さえた「『日本の文化』としての中元」を打ち出し、「パーソナルギフト」のさらなる需要を図る。予想平均単価は約4,200円(前年実績=4,133円)。8月6日まで。

 全百貨店ともピーク予想は7月11日~16日を想定しており、地元九州に根付いた商品構成の傾向が見られる。岩田屋によると、ギフト商戦の前倒し傾向が加速、早期受付割引きなどの利用客のメリットが比較的高い6月早期受注期間と7月中旬にピークの二極化が進んでいるという。団塊世代の需要が減少することから、次世代への新たなアプローチが必要とされており、贈る相手に応じた本物志向の「パーソナルギフト」ニーズが拡大しているという。

岩田屋本店大丸・福岡天神店三越・福岡店

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