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地元の人が地元の魅力を発見! 福岡でクリエイター育成セミナー「Rethink Creator PROJECT」開催

3回目の今年は完全オンライン配信で

提供:Rethink Creator PROJECT 制作:天神経済新聞編集部

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 「日本中でクリエイターの地産地消~地元を誰かにまかせない~」をコンセプトに、地元の人が地元の魅力を発見し、発信することを目指すクリエイター育成プロジェクト「Rethink Creator PROJECT(リシンククリエイタープロジェクト)」の福岡セミナーが9月11日、「福岡市スタートアップカフェ」(福岡市中央区大名2)で開催されました。

「リシンククリエイタープロジェクト」とは

セミナー配信の様子

 「Rethink Creator PROJECT」は、「学び」と「挑戦」を通じて、これからの地域に必要とされる「身近な価値や魅力を発見し、それを形にして伝えることが出来る人財」を、日本中に増やしていくことを目的としています。

 主催は「クリエイターが働きやすい世界を創造する」をビジョンに掲げ、教育・制作・開発の3領域のサービスを展開する「クリエイターズマッチ」(東京都渋谷区)。協賛は、4年前から「Rethink」をキーワードに地域社会の課題と向き合うプロジェクト「Rethink PROJECT」を展開するJT(港区)。協力はJTB(品川区)。

 同プロジェクトでは、学びの場として全国各地で「Rethink Creator Seminar」を展開しています。身近な魅力を発信する方法「Rethink」と、それを簡単にデザインで表すための方法「Create」が一度に学べ、クリエイターの方はもちろん、デザイン未経験の方も参加できるセミナーです。さらに「挑戦の場」として「Rethink Creative Contest」も実施し、セミナーで得た学びを実践・応募できる場も提供しています。

 2018年度から始まった同プロジェクトは、2020年度までに全国38地域で開催され、約2,300人が参加しており、今年度は全国17地域・18セミナーの開催が予定されています。

福岡では3回目の開催 新型コロナウイルス感染症に配慮し、今年はオンラインで実施

 2018年度、2019年度に続き、3回目の開催となった福岡セミナー。今回は、コロナウイルス感染症に配慮し完全オンラインで実施され、10代~50代までの男女35名がオンラインで参加。後援に福岡市、共催に福岡のweb制作会社ディーゼロ(福岡市中央区薬院1)が加わりました。

「起業したクリエイターの本音を聞く!」 ディーゼロ代表・矢野社長×とクリエイターズマッチ代表・呉社長

トークセッション配信の様子(左:ディーゼロの矢野修作社長、右:クリエイターズマッチの呉京樹社長)

 セミナー当日は、講座の前に「起業したクリエイターの本音を聞く!」と題して、共催である福岡の制作会社「ディーゼロ」の矢野修作社長と、同プロジェクト主催の「クリエイターズマッチ」の呉京樹社長によるトークセッションが行われました。

 2人の共通点は、クリエイター出身でクリエイターを経て起業したということ。現在クリエイティブ業務に従事している方、フリーランスの方、これから起業したい・興味がある方に向けて「何かヒントになるような時間となれば」という思いから開かれ、起業のきっかけや、起業した当時の振り返り、これまでとこれからのクリエイティブの役割など、30分では語りきれないほどの様々な話題が飛び交いました。

起業のきっかけは、自身がクリエイターとして働く中で感じた労働環境への疑問

会場の様子

 実は同い年の2人。呉さんは15年前、矢野さんは22年前に起業。2人とも、自身がクリエイターとして働く中で様々な疑問を感じ、そこから起業に繋がったと言います。

 呉さんはこれまでに企業で働いたり、フリーランスで働いたりと、色々な働き方をしてきましたが、その中でクリエイターの労働環境の悪さや賃金の安さを痛感。そうした疑問から見えてきたクリエイターの社会課題を解決するため、「クリエイターを幸せにする」というビジョンを掲げて立ち上げたのが、クリエイターズマッチだったと言います。

 矢野さんは、大学を中退して独学でデザインを学び、就職したものの1年で退職し独立。当時の労働環境について、「クリエイターは夜遅くまで働く、数日徹夜するという流れがあり、業界的にもそれが当たり前の環境だった」と振り返りました。クリエイティブが大好きなのにモノを作ること以外のしがらみも多く、「しがらみがないところでのんびりゆっくり働きたい」と思い、フリーランスとして独立したのが起業のきっかけだったそうです。

起業当時と現在の「クリエイティブ」について

トークセッションの様子

 2人が起業した当時と今を比べると「世の中全体でクリエイティブのニーズが広がってきている」と話します。

 呉さんは、「20年前と今のクリエイティブは概念が違う」といい、昔は『デザイナー』という『職種』だったのが、現在はどちらかといえば事業自体を設計していくのがクリエイティブになってきている」と言います。「クリエイターが参加する会社は成長が早い」と考えを述べました。

 それに対して、矢野さんは「自分自身は、20年前とデザインの概念は変わっていないように感じる」としながらも、「世間におけるデザイナーの概念はとても変わってきた」と言います。「今はモノを作るのはテクニカルではなくなってきている」とし、「人がクリエイティブを発信することがとても身近になり、自分が思ったことを形にして伝えていくことへのハードルは、今後もっと下がっていく」とクリエイティブの未来を語りました。

これからのクリエイティブと、これからの時代に活躍するクリエイターに向けて

 トークセッションの締め括りに2人は、これからの時代に活躍するクリエイターに向けてメッセージを送りました。

 呉さんは「クリエイターの価値はまだまだ上がり続けると思う」と言います。個人が制作して情報発信できるようになったこの時代に、最後に活躍できる人はクリエイティブ、アウトプットできる人だと考えます。こうして全国でクリエイターの育成を継続していくことに価値を感じるとし、「クリエイターを目指す人が増えてほしい。クリエイターたちにどんどん起業、発信する機会を提供していけたら」と思いを語りました。

 矢野さんも「クリエイターは社会においてすごく価値の高い仕事になった」とし、「クリエイティブの範囲は広がっているし、広がった理由はきっと、思考・思想と色々なものが掛け算することにある」と考えます。「色々なことにクリエイティブを掛け算していくことで、比較するものが増え、すごいクリエイターを見ることが増えていくと思う。掛け算しているので、それぞれの個性がクリエイティブになるが、比較することなく、めげそうな時も自信をもって、自分のクリエイティブ・感性を発信してほしい」とメッセージを送りました。

【講座】「Rethink」=「視点を変えて考える」ための講座 3つの視点について学ぶ

(左から)「Zero-two」の常務取締役・渡辺高志さん、フリーランスクリエイターの荒川智子さん

 トークセッションを終え、休憩を挟んだ後はいよいよ講座のスタート。30分の講座と、90分のワークショップで構成され、講師はweb制作・コンサルティングなどを行う「Zero-two」(福岡市博多区祇園町8)の常務取締役・渡辺高志さんと、福岡を中心にwebデザイナーとして活躍するフリーランスクリエイター・荒川智子さんが務めました。

 講座では、「Rethink」=「視点を変えて考える」とした上で、地元・福岡の魅力を考えるための具体的な「Rethink」の方法を話していただきました。

「属性(フィルター)」「内側(インサイト)」「印象(カプタ)」の3つ見方で「視点」を変える

セミナー配信の様子

 「Rethink=視点を変えて考える」ためには、①「FILTER(フィルター):属性を見る」、②「INSIGHT(インサイト):内側を見る」、③「CAPTA(カプタ):印象を見る」という、3つの方法を理解することが重要です。

 ①「FILTER(フィルター):属性を見る」とは、伝えたい「相手」や「物事」を決めて探すことで、気づかなかった魅力が見えてくることを指します。例えば「福岡の魅力を見つけてください」と言われた時、フィルターをかけない場合は「明太子」「ラーメン」「PayPayドーム」など「一般的な福岡のイメージ」が思い浮かびますが、フィルターをかけることでより具体的なイメージが浮かんできます。

 フィルターをかける際は、「誰に」=「あなたが大事にしている県外の知人」など、特定の誰かをイメージします。そうすることで「何を」の部分も絞り込め、当初とは違った魅力が見えてきます。例えば、「誰に」=「福岡に転勤が決まった料理上手な後輩」とすれば、「何を」=「新鮮食材が並ぶ、柳橋連合市場」を紹介する、といった形です。伝えたい「相手」や「物事」を決めずに見る視点(ぼんやり)から、伝えたい「相手」や「物事」を決めて見る視点(はっきり)に変えていくことがポイントです。

「伝えたい相手」と、その相手に「何を」伝えたいか、具体的な例を挙げて考えていきます

 ②「INSIGHT(インサイト):内側を見る」では、「誰に」の部分をより詳しく見ていきます。なぜこの人に伝えたいと思ったのか、そこには理由・メッセージがあるはずです。「誰か」になんとなく伝える視点(外側)ではなく、相手が喜ぶような具体的なイメージを浮かべて伝えていくことが大事になります。

「内側を見る」の視点変えポイントについて説明する渡辺さん(左)

 ③「CAPTA(カプタ):印象を見る」では、伝えたい「何か」の部分を見ていきます。伝えたい情報には「データ(正確で硬い情報)」と、「カプタ(自由で柔らかい情報)」の2種類があります。ワインを例にすると、「内容量」「産地」「アルコール度」などはデータ情報、「おいしい」「渋い」「フレッシュで輝かしい」などはカプタ情報になります。正確性には欠けますが、イメージが伝わりやすいのがカプタ情報です。カプタを意識することでキャッチコピーのように伝わりやすくなります。

カプタ情報を考える練習として、講師の荒川さんの印象をチャット形式で参加者が答えていきました

【ワークショップ】福岡の観光地のコピーを考えてみよう!

ワークショップの様子

 10分間の休憩を挟んだ後は、講座で学んだことを実践するワークショップの時間です。「地元のアフターコロナをRethink!」とし、コロナが明けたときに福岡に来てほしい、福岡の魅力を知ってほしいということを想像して、コロナ後の未来を考えていきます。

 ワークショップでは、福岡の観光地「能古島」「南蔵院の釈迦涅槃像」の写真に対し、講座で学んだ「Rethink」の考え方を実践していきます。講座で学んだ3つの方法をもとに写真のコピーを考え、ポスターにしていきました。

「能古島」の写真から、キャッチコピーを考えてみよう

 ステップ①として、「フィルター:属性を見る」について考えます。写真の撮影者の気持ちになり、伝えたい相手を想像していきます。チャットでは、「山口百恵ファンの会社の代表。60オーバー。男性」や「今年花見を一緒にできなかった会社の同僚」「コロナ以来ずっと会えていない大学時代の友人」など、参加者の皆さんが思う「伝えたい相手」が書き込まれました。

チャットでは、参加者がイメ-ジする様々な「伝えたい相手」が挙がりました

 たくさんの書き込みの中から、今回のターゲットは「7歳と4歳の子供がいる32歳のお母さん。アウトドア得意ってほどでもないけど、子供を外に連れて行くのは好き」に決定。

 次にステップ②として、「カプタ:印象を見る」について考えていきます。インスタグラムのハッシュタグを見つけるような感覚で、写真から感じられるカプタ情報を見つけていきます。チャットでは「大人も子供も半ズボンで遊びたい」「走りまわれる」「青い空、青い海」などが挙がりました。

 最後にステップ③として、「インサイト:内側を見る」について考えていきます。ステップ①で決定した「伝えたい相手」に対して、チャットでは「子供のびのび。ママはのんびり。のこのしま時間」「みんなで、深呼吸」「のこのしまでのこのこしましょう」などのキャッチコピーが挙がりました。

数々の素敵なキャッチコピーから1つを選ぶのに講師の2人も悩んでいました

 最終的に決定したキャッチコピーは「自然の中に浮かぶ島。スニーカーでおいで!」。このキャッチコピーをもとに、ポスターを完成させます。

参加者のアイデアをポスターに!デザインの仕方にも注目

慣れた手つきでデザインしていく荒川さん

 ポスターを制作するにあたり、フォントの書式(縦書き・横書き、明朝体・ゴシック体)をZoomのアンケート機能を使って多数決で決めます。今回は「縦書き・明朝体」に決定しました。講師のデザイナー・荒川さんによってポスターが作られていきます。

 完成したポスター作品がこちら。

 荒川さんは文字を並べるだけではなく、「スニーカーでおいで!」の部分に角度をつけてラフさを表現し、島が「おいで」と呼びかけているような表現にしました。

2つめのお題は「南蔵院の釈迦涅槃像」 ユニークなアイデアがチャットを通して続々と

 同じ手順を踏んで、今度は「南蔵院の釈迦涅槃像」について考えていきました。2つ目になると、参加者の皆さんも慣れてきて、ユニークなアイデアがたくさん出てきました。ターゲットは「巨石、巨木、巨象、大きなものが大好きな27歳女性」に決定。そこから、たくさんのカプタ情報がチャットで書き込まれていきました。コツをつかんだ参加者からは「どでーーん、ずどーーん、ごおーーん」「でかっっ」「目つぶっているけど見られている」「サボってないよ」など面白いカプタ情報が集まり、講師の2人からも笑みがこぼれました。

ユニークなカプタ情報に笑みをこぼす講師の2人

 たくさんのアイデアに講師の2人も悩みながらも、最終的に「どーんと、どデカく休憩中」というキャッチコピーに決定。1つ目と同様に荒川さんがポスター作品として仕上げていきます。

ポスター制作の様子。チャットでは荒川さんを応援するメッセージも。声援を受けて、荒川さんも急ピッチで仕上げていきます。

 アイデア出しが盛り上がり、ポスター制作の時間がギリギリになってしまう場面もありましたが、チャットでは荒川さんを応援するコメントも並び、オンライン開催ならではの光景も見られました。そうして完成したポスターはこちら。

 荒川さんは「どーんと」の部分を少しはみ出させたり、「どデカく休憩中」の「ど」を大きくしたりすることで、涅槃像の大きさを表現されていました。

 講座とワークショップあわせて2時間のセミナーが終了し、参加者からは「自分の意見を発信する楽しさが少し分かった気がする」や、「やっぱりクリエイティブは楽しいし、そこに集う人たちとは気が合うので良い時間になりました」といった感想が寄せられました。また、参加者の中にはデザインを過去に勉強したけれど今は別の仕事に就いている方、デザインに興味があったけれどその道を断念した方なども参加され、セミナーをきっかけに再チャレンジしてみたいといった声もありました。

 講師の渡辺さんは「クリエイトするという思考自体は誰でも持つことができる。商品企画や広報など、色んなことに活かすことができると思うので、早速やったことを生かしてもらえたら」と話しました。荒川さんは「クライアントからよく『いい感じで』といわれるが、それはまさに「カプタ」だと思う。クリエイターとしては『いい感じで』以外のものをどれだけ出せるかが大事だと思う」とし、「自分もいろいろな情報を出せるように、日ごろから訓練していきたい」と話しました。

デザイン未経験でもチャレンジできる「リシンククリエイティブコンテスト」

 「Rethink Creator PROJECT」では、挑戦の場としてコンテンスト「Rethink Creative Contest」を開催しています。本日のセミナーで学んだことを生かして、自分の地元の魅力を発見し、発信していくことにチャレンジできる場です。テーマは、本日のワークショップと同じ「地元のアフターコロナをRethink!」。コロナ禍の今だからこそ感じる当たり前の大切さや魅力を発信してみませんか?コンテストはクオリティだけではなく、今までに無かったアイデアや切り口を重要視するので、デザイン未経験の方でも、誰でも参加可能です。

【応募要項】

  • 提出物:A4タテサイズのポスター
  • 受賞点数、賞金
  • Rethink PROJECT賞(最優秀賞)…1作品、賞金50万円
  • 審査員賞…最大5作品、賞金5万円
  • 優秀賞…最大20作品、賞金3万円
  • 地元PR賞…相当数、ギフト券5,000円分
  • 応募締め切り:10月17日(日)23時59分59秒まで

 また、「Rethink Creator PROJECT」のwebサイトでは、登録した方に向けて無料で学べる動画カリキュラムも用意しています。本日のセミナーを受けた方以外にも、「Rethink」に興味を持った方はぜひチェックしてみてください。

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